紹介書での出会いで、お相手の方から申し込みが来た。


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 紹介書は、
オーネットに入会した時に、自分のデータとお相手へのご希望条件等を登録して、この条件設定によって、より自分の希望に沿ったお相手候補を紹介して貰えるシステムだ。


 かなり細かい項目《職種であれば、教師、警察官、弁護士とか》に分かれていて記入するのに時間が結構かかるが、細かいので、より自分に合う人に出逢えるという期待感も出ていた。


 お申し込みして、相手がお申し込みを受けて貰えたら、初めてお互いの顔写真がオーネット掲示板を通して見られる。


 誰にでも自分の写真が見られる訳では無いので、ある程度安心できる。



 こんな紹介書が毎月6通届く。




 僕と同い年の三十代の会社員リカさん。




 お話掲示板でメッセージのやり取りをして、そうそうに彼女の方から「詳細プロフィールを見せて」の申し込みを受けて、詳細プロフィールを交換した。




 彼女の趣味は太極拳、読書、料理。



 彼女は、電機メーカーで翻訳の仕事をしている。




 休日に何をしているか?というような内容をオーネットの掲示板のメッセージで送った後、そうそうにリカさんから「お会いしませんか?」というお誘いがあり、僕は会うことにした。



 写真を見ると、歳より若々しい印象を受けた。



 彼女とは、職場が近いこともあり平日の夜に会うことになった。



 平日の夜で、人が多い場所だったので僕はリカさんを見つけることが出来なくて、リカさんの方から声をかけてくれた。



 「はじめまして、リカです。ジャンプさんですよね?」


 
 リカさんは写真より、笑顔が素敵で綺麗だった。



「はい、ジャンプです。リカさん、写真より綺麗ですね。全然わかりませんでした。」



 僕は初めて会う人に対して、枕詞的に「写真より綺麗ですね。全然わかりませんでした。」と言うことが多い。



 それを言われて嫌な気分になる女性はいないと思うからだ。



 だが、今回は本当にそう思った。リカさんは写真より本当に良かったのだ。



 大学は物理学科を卒業していて、英語も好きだったので仕事をしながら勉強をして、今は転職をして念願の翻訳の仕事をしているそうだ。



 主に電化製品の翻訳の仕事をしているそうで、物理学科で勉強していることが役に立っているという。



 ほぼ残業は無く、定時に帰れていて、仕事場の人とも良好で出来れば結婚後もそこで働きたいと思ってるくらい気に入ってるそうだ。



 マラソンも職場の人に誘われて始めた。健康的な女性だ。



 実家も都内で勤務先に通えるが、自立したくて一人暮らしをしている。



 彼女は、オーネットには前から入っていて資格の試験があり、試験勉強に打ち込むために暫くオーネットでの活動を休止していて、最近活動を再開されたそうだ。



 リカさんは、明るく、目標のために努力する力がある。


 僕は、4年間アメリカに仕事で言っていたけど、そんなにTOEICの点数は良くない。



 ラボに篭って、実験ばかりして現地の人とそんなに話して無いからだ。


 でも、彼女は勉強してTOEIC960点。


 純粋に凄い。仕事をしながら勉強をするのは、努力と根性を要すると思う。




 芯が強い女性であるということが感じられる。



そうこうしているうちに、あっという間に時間が過ぎていく。



 今までの経験から、もう一度会いたいときには楽しい時間のうちにお別れして、次回に備えるほうが良い。そのほうが相手ももう一度会ってみようかなと思ってくれる。



僕は、連絡先を交換しませんか?と申し込んで、その日は、これくらいにして次の機会を持つことにした。